第51回 埼玉文学賞(2020)
つぎつぎ、生る
渓木けい(著)
この春に植えたゴーヤがもう実をつけた。亀虫の色を薄めたような堅い種の端っこを、発芽しやすいよう爪切りで切って植えたのは、リモートワークが導入されて、秩父のこの家に帰ってきた5月だった。
渓木けい(著)
この春に植えたゴーヤがもう実をつけた。亀虫の色を薄めたような堅い種の端っこを、発芽しやすいよう爪切りで切って植えたのは、リモートワークが導入されて、秩父のこの家に帰ってきた5月だった。