第27回 電撃小説大賞(2020)

大賞

ユア・フォルマ 電子犯罪捜査局

ユア・フォルマ 電子犯罪捜査局

菊石まれほ(著)
電撃文庫・メディアワークス文庫などから出版予定

あらすじ
脳の縫い糸――通称〈ユア・フォルマ〉。1992年に起きた、ウイルス性脳炎のパンデミックから人々を救った医療技術は、今や日常に不可欠な脳侵襲型情報端末へと進化をとげていた。縫い糸は全てを記録する。検索履歴、会話、そして感情さえも。そんな〈機憶〉にダイブし、重大事件解決の手がかりを探るのが、電索官エチカ・ヒエダの仕事だ。
2023年、冬のペテルブルク――。
天才的な電索の才能ゆえに、補助官を再起不能にしてばかりのエチカにあてがわれた新しい相棒は、金髪碧眼のヒト型ロボット〈アミクス〉のハロルドだった。過去のトラウマから「機械」を毛嫌いするエチカと、それを意にも介さず距離を詰めまくるハロルド。凸凹な2人が挑んだ知覚犯罪事件は、思わぬ方向へと舵を切り――!


金賞

受付嬢ですが、定時で帰りたいのでボスをソロ討伐しようと思います

mato(著)
電撃文庫・メディアワークス文庫などから出版予定

あらすじ
冒険者と呼ばれる者たちが、剣と魔法で魔物たちと戦う世界。
冒険者たちを戦闘へと見送り記録する「受付嬢」のアリナは、収入が不安定かつ危険と隣合わせな冒険者稼業を嫌い“安定の稼ぎと毎日の定時帰り”を理想とする毎日を送っていた。しかし、実情は日々膨大な業務量に忙殺されて残業まみれの辛いもので……。
そう、残業の原因は、いつまでたってもダンジョンを攻略できない無能すぎる冒険者たち。怒りに震えるアリナは、【副業禁止】という掟を破り、秘密にしていた最強の怪力と巨大な大鎚(ウォーハンマー)を武器にダンジョンへ赴くのだが――偶然居合わせた一流冒険者にその姿を見られてしまい……。


メディアワークス文庫賞

それから俺はかっこいいバイクを買った

遠野海人(著)
電撃文庫・メディアワークス文庫などから出版予定

あらすじ
相馬智成には、中井恭介という親友がいた。幼い頃から習っていたトランペットで恭介の作った曲を演奏する――いつしかそんな日々が当たり前になり、恭介の妹を観客に、三人だけの演奏会が続いた。中学生のある日、恭介が事故で死ぬまでは。
高校生になった智成の世界は少し変わっている、死んだはずの人間が見えるのだ。楽器をやめ、早朝バイトをする智成は、昼間は活動しない“彼ら”との共存を感じる、この静かな時間が好きだった。
だが、恭介の妹・優子との再会で静かな日々が終わる。「文化祭で兄の遺作を演奏をする手伝いをしてほしい」手渡されたそれは、演奏時間が36時間もある壮大な合奏曲で――。

はじめての夏、人魚に捧げるキャンバス

国仲シンジ(著)
電撃文庫・メディアワークス文庫などから出版予定

あらすじ
難関美大を目指す高校生の海斗は、沖縄の離島を訪れていた。昔から絵を描くのが好きだった、だけどどこか感情の抜け落ちた絵しか描けない……そんな自分の殻を破るヒントを探す創作旅行だ。
島に到着した夜、どこからか聴こえてくる歌声に導かれ、海斗は海岸へと足を向ける。海に浮かぶ岩に腰かけ、月を見上げて歌う幻想的な姿――そこには“人魚”がいた。
「私、伊是名風乃! 君は?」人魚ではなく風乃と名乗った島の少女は、海斗が絵を描きに来ていると知り、島の案内を買って出てくれた。
二人で過ごしていくうちに、元気で明るい風乃に惹かれていく海斗。そして海斗は、この島に眠る人魚の伝説と風乃を待ち受ける悲しい運命に直面する――。


銀賞

Out Of The Woods

土屋瀧(著)
電撃文庫・メディアワークス文庫などから出版予定

あらすじ
度重なる争いの後、地表の大部分を海洋が覆う世界。
滅びへ向かう人類を制御するため、武器、科学、信仰、すべてを忘れ作り上げられた、忘却のユートピア〈リーン〉。
しかし旧世界が生み出した毒――アルセノンは未だに人々を蝕んでいた。
そんな世界で、少年たちの物語は始まる。ひとりは、記憶の底にある少女の影を探す少年。そしてひとりは「アルセノン」を宿した囚われの少女。
触れ合うことのできない彼らが交錯するとき、世界を変える秘密を巡る争いが巻き起こる。忘却の新世界を巻き戻そうとするもの、守ろうとするもの、先へと進めようとするもの。
幾重にも重なる謀略を超え少年たちが得るものとは――。

インフルエンス・インシデント

駿馬京(著)
電撃文庫・メディアワークス文庫などから出版予定

あらすじ
人気女装配信者「神村まゆ」として活動する男子高校生・中村真雪は、ある日SNSを悪用したストーカー被害に遭ってしまう。
そこに手を差し伸べたのは、優秀だがエキセントリックな大学教授・白鷺玲華と助手をつとめる女子大生・姉崎ひまりだった。
「お願いします。僕を守っていただけませんか」
「任せて。お姉ちゃんたちが助けてあげるから!」
「まずSNSの原理である『六次の隔たり』の考え方に基つけば――」「教授ストップストップ!」
「……あ、あの。そもそも、なぜ僕はずっと膝の上に乗せられているんでしょうか?」
女教授と女子大生と女装男子(インフルエンサー)が、インターネットを起点としたさまざまな事件(インシデント)に立ち向かう!


選考委員奨励賞

モーンガータのささやき~イチゴと逆さ十字架~

川崎七音(著)
電撃文庫・メディアワークス文庫などから出版予定

あらすじ
突然の事故で姉を失った高校生、田越桜。悲しみにくれる葬儀を終えたその日、桜は、どんな願いも叶えてくれるという悪魔と出会う――「きみの願いを叶えよう。私にはその力がある。ただし、対価として寿命をいただく」
モーンガータと名乗る悪魔と契約した桜は、姉の葉月を蘇らせる代わりに、寿命のほとんどを差し出した。帰ってきた喜びもつかの間、かつての面影を失った姉はひきこもるように。そんな中、あるクラスメイトがモーンガータと契約していることを知り……。
余命7ヶ月。残り少ない時間のなかで、死と向き合い、自分ができることを選択した桜を、待ち受ける結末とは――。

第27回 電撃小説大賞

第27回 電撃小説大賞の選考結果が11月10日に発表されました。
受賞作品は出版予定。

選考委員:三雲岳斗、三上延、吉野弘幸、小原信治、湯浅隆明、高林初
応募数:4355作品(長編3183作品、短編1172作品)
賞金:大賞300万円、金賞100万円、文庫賞100万円、銀賞50万円、奨励賞10万円

関連リンク
第27回電撃大賞 受賞作品発表!!

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