文学賞の賞金額をランキング形式で紹介

国内文学賞 賞金金額トップ3

国内に100以上ある文学賞。そのほとんどで、大なり小なり賞金が貰えます。
賞金よりも小説家デビューの道が開けることや、受賞作品・受賞作家といった宣伝効果のほうが一時の賞金よりも長い目で見れば価値があることでしょう。
また、賞金目当ての賞金稼ぎみたいな理由でわざわざ小説を書いて応募する人は少ないと思います。

ですが、やっぱりいくら貰えるのか気になりますよね。そこで、賞金額(2020年現在)を下世話ですがランキングにしてみました。


1位 賞金1200万円 『このミステリーがすごい!』大賞

1位はなんと1000万円越えの1200万円。公募型の新人賞としては破格の賞金額です。
これだけ貰えたら金銭面を心配することなく、次回作の執筆にも集中できそうですね。
また、受賞作品は翌年の1月頃に出版されます。

このミステリーがすごい!大賞は「エンターテインメントを第一義の目的とした広義のミステリー」が応募対象です。原稿枚数は40字×40行で100枚~163枚。
ここ数年の応募数は400~500作品で、1次選考通過は20~25作品が通過しています。
なお、次点の優秀賞でも200万円が贈られます。

過去の受賞作
「果てしなき渇き」深町秋生
「チーム・バチスタの栄光」海堂尊
「さよならドビュッシー」中山七里
「臨床真理」柚月裕子
「女王はかえらない」降田天
「がん消滅の罠 完全寛解の謎」岩木一麻

後に直木賞を受賞する東山彰良さんは「逃亡作法」で第1回の銀賞/読者賞を受賞しデビューしています。

2位 賞金1000万円 江戸川乱歩賞

2位は著名推理作家 江戸川乱歩の寄付からスタートした江戸川乱歩賞の1000万円。
1955年に創設され、過去には西村京太郎さん、森村誠一さん、和久峻三さんなどのベテラン作家も受賞しています。
受賞作品は講談社から発売されるほか、フジテレビで映像化されます。
公募型の文学賞ですが、デビュー済みの作家さんも多く投稿しています。

江戸川乱歩賞は「広い意味の推理小説で、自作未発表のもの」が応募対象。原稿枚数は400字詰め原稿用紙で350~550枚。
ここ数年の応募数は300~400作品、第1次審査通過は85~100作品。

過去の受賞作
「放課後」東野圭吾
「連鎖」真保裕一
「果つる底なき」池井戸潤
「Twelve Y.O.」福井晴敏
「道徳の時間」呉勝浩
「QJKJQ」佐藤究

3位 賞金500万円 朝日賞、日経小説大賞、松本清張賞など

3位は賞金額500万円で、以下の5つの文学賞がランクイン。朝日賞のみ非公募型の文学賞です。
朝日賞、日経小説大賞、日本ミステリー文学大賞新人賞、松本清張賞、横溝正史ミステリ&ホラー大賞

・朝日賞
非公募型で1年間の業績をもとに、受賞者を選考する。基本的には経験を積んだベテランが受賞しています。

過去の受賞者
多和田葉子
城山三郎
丸谷才一
村上春樹
石井桃子

・日経小説大賞
2006年に始まった比較的に新しい文学賞で、日本語の自作未発表作品であればジャンル・経験は不問な点が特徴。
原稿枚数は400字詰め原稿用紙300~400枚。受賞作品は出版。
ここ数年の応募数は200~300作品、第1次選考通過は20作品前後。

過去の受賞作
「テムズのあぶく」武谷牧子
「松林図屏風」萩耿介
「神様と取り引き」長野慶太
「姥捨て山繁盛記」太田俊明
「狂歌」佐伯琴子

・日本ミステリー文学大賞新人賞
ミステリー作品が対象の公募型新人賞で、受賞作品は光文社から出版される。原稿数は400字詰め原稿用350~600枚まで。
ここ数年の応募数は、100~200作品と少なめ。ジャンルの縛りはありますが、賞金額のわりに応募数が少ないので狙い目です。

歴代の受賞作品
「プラ・バロック」結城充考
「霧のソレア」緒川怜
「代理処罰」嶋中潤
「ロスト・ケア」葉真中顕
「クリーピー」前川裕

・松本清張賞
「点と線」や「砂の器」などの作品で有名な松本清張の名を冠した公募型文学賞。推理小説の印象も強い松本清張ですが、賞の募集対象は広義のエンタメ小説です。
応募はプロ・アマ問わず応募数も毎回多いので、大賞を取るのが難しい賞のようです。その分、受賞作品の質は高いともいえそうです。
2018年に大賞を受賞した川越宗一さんは、翌年には直木賞を受賞しています。
原稿枚数は400時詰め原稿用紙300~600枚。受賞作品は文芸春秋から出版されます。
ここ数年の応募数は500~700作品、第1次選考通過は30~40作品。

過去の受賞作品
「陰の季節」横山秀夫
「天地に燦たり」川越宗一
「ウインドノーツ」額賀澪
「月下上海」山口恵以子
「火天の城」山本兼一

・横溝正史ミステリ&ホラー大賞
横溝正史ミステリ大賞と日本ホラー小説大賞が合併し、2019年に生まれた新しい賞。ホラーが対象の文学賞としては最高金額。
公募型の新人文学賞ですが、プロも応募可能です。正賞は横溝正史にちなみ、金田一耕助像が贈られます。
原稿枚数は400字詰め原稿用紙で200~700枚。応募数は430~530作品、第一次選考通過は約15作品です。

過去の受賞作
「火喰鳥」原浩


文学賞の賞金トップ3でした。

出版不況とよく言われますが、それでも1000万円以上の賞が2つあるのは夢がありますね。
とくに「このミステリーがすごい!大賞」の1200万円は他業種の賞と比べても勝っていますし、
優秀賞でも200万円が授与されます。これは、芥川・直木賞よりも上で、全体でみても5番目の額です。

小説の購入の際、文学賞に挑戦する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

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