大賞
Bとの邂逅
改題:ニキ
宮本志朋(著)
改名:夏木志朋(著)
ポプラ社
あらすじ
高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それは表の顔。彼が自分以上に危険な人間であると確信する広一は、二木に近づき、脅し、とんでもない取引をもちかける―。嘘と誠実が崖っぷちで交錯し、追い詰めあうふたり。生徒と教師の悪戦苦闘をスリリングに描き、読後に爽やかな感動を呼ぶ青春小説。第9回ポプラ社小説新人賞受賞作『Bとの邂逅』改題。
特別賞
シガーベール
改題:ふたり、この夜と息をして
北原一(著)
あらすじ
男子高校生の夕作まことは、顔にある痣を化粧で隠して生活している。それがばれることを恐れ、人とかかわらず静かに過ごすことを望んでいた。ある日、公園でクラスメイトの槇野がタバコを吸っているところを目撃する。不良でもない彼女がなぜ?互いに“秘密”を抱えた二人は徐々に距離を縮めていくが―。第9回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞した感動の青春小説(『シガーベール』を改題・加筆)。
奨励賞
隠れ町飛脚・三十日屋余話
改題:隠れ町飛脚 三十日屋
鷹山悠(著)
あらすじ
長屋の腰高障子に書かれた細い月、それは「三十日屋」の印だ。三十日屋は隠れ町飛脚。お上の許しを得ずに、こっそり営む飛脚屋である。後ろ暗い商いはしていないが、扱う品は変わっている。「普通の飛脚屋では扱えない『曰くつき』の品であること」「お代はお客が決めること」そんな二つの条件に見合った品だけを届けてくれるというのだ。とある「過去」を抱える店主のお静のもとには、今日もやっかいな依頼が持ち込まれ―。優しい涙が流れる人情時代小説。ポプラ社小説新人賞奨励賞受賞作。
最終候補作品
「Bとの邂逅」 宮本志朋(著)
「シガーベール」 北原一(著)
「カンブリアのさなぎ」 仲田鏡未(著)
「隠れ町飛脚・三十日屋余話」 鷹山悠(著)
第9回 ポプラ社小説新人賞
選考委員:編集部
応募数:611作品
賞金:大賞200万円
掲載:単行本発売中
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