啓文堂大賞 文庫部門(2020)

1位

あの日、君は何をした

まさきとしか(著)
小学館

あらすじ
『完璧な母親』著者が放つ慟哭のミステリー
母子の関係を主題として繰り返し書いてきた作者が放つ問題作。
北関東の地方都市で、脱走犯と誤認逮捕されて警察に追われた少年が事故死したという悲劇が、周囲に人間模様に波紋を広げていく物語である。
中でも少年の母・いずみは世間の誹謗を受け、精神が崩壊していく。
そして十五年後の時が経過して、東京で別の殺人事件が発生する。
本書の特異さが際立ってくるのは、新旧二つの事件を結びつける糸が見え始める中盤からで、ねじれた心理戦の描き方に戦慄させられる。


2位

夫の骨

矢樹純(著)

あらすじ
昨年、夫の孝之が事故死した。まるで二年前に他界した義母佳子の魂の緒に搦め捕られたように。血縁のない母を「佳子さん」と呼び、他人行儀な態度を崩さなかった夫。その遺品を整理するうち、私は小さな桐箱の中に乳児の骨を見つける。夫の死は本当に事故だったのか、その骨は誰の子のものなのか。猜疑心に囚われた私は…(『夫の骨』)。家族の“軋み”を鋭く捉えた九編。


3位

BUTTER

柚木麻子(著)

あらすじ
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子。若くも美しくもない彼女がなぜ―。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。


2020年 啓文堂大賞 文庫部門

選考委員:候補の中から売り上げが最も多い作品
応募数:12作品(候補)
賞金:なし
掲載:なし

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