第8回 アガサ・クリスティー賞(2018)

入れ子の水は月に轢かれ

オーガニックゆうき(著)
早川書房

あらすじ
那覇・水上店舗通り――繁華な国際通りから一本入ったその場所は、猥雑なバックストリートだ。かつては湿地帯だったガーブ川を、戦後に不法占拠して生まれたワンダーゾーン。……いわば、風来坊たちの隠れ家である。
水害で死んだ双子の兄の身代わりとして、偽りの人生 を生きてきた孤独な青年・岡本駿。母を振り切って実家 を飛び出した彼は放浪の果て、水上店舗通りに辿り着い た。高齢フリーターの川平健、そして老女傑の鶴子オバ アと出会い、居場所を見つけた駿はやがて、オバアの店 を譲り受け『水上ラーメン』をオープンする。しかし開 店当日、最初の客が謎多き水死体として発見される。
不審死を追う駿と健は、在日米軍、CIA、琉球王な ど、沖縄に滲む黒闇を目の当たりにする――!


候補作品

「氷焔」 碓氷霜子(著)
「入れ子の水は月に轢かれ」 オーガニックゆうき(著)
「折れたタンコツ」 木山穣二(著)
「願いをかなえる完璧な方法」 福田悠(著)

第8回 アガサ・クリスティー賞

選考委員:北上次郎、鴻巣友季子、藤田宜永、ミステリマガジン編集長
掲載:ミステリマガジン、SFマガジン

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