芥川賞・直木賞の出版社別受賞数(2000~)

「非公募文学賞は公平なのか?」の第2弾、芥川龍之介賞、直木三十五賞編です。
主催は日本文学振興会ですが、事務局が文藝春秋ビル内にある、理事長が文藝春秋社長など、文藝春秋とのつながりが強い賞です。

今回は2000年から2020年の、出版社別の受賞数をまとめてみました。芥川賞・直木賞はどういった結果になるのでしょうか?


芥川龍之介賞

雑誌・同人雑誌に発表された、新進作家による中短編の純文学が選考対象。

雑誌名出版社受賞数
文學界文藝春秋19
早稲田文学早稲田文学会1単行本は文藝春秋から発売
新潮新潮社11
群像講談社9
文藝河出書房新社5
すばる集英社3
小説トリッパー朝日新聞出版1

2009年下半期と2011年上半期は該当作品なし。

直木三十五賞

新進・中堅作家によるエンターテインメント作品(単行本)が選考対象。

出版社受賞数
文藝春秋24
講談社5
新潮社5
集英社4
幻冬舎3
祥伝社2
小学館2
KADOKAWA1
角川書店1
マガジンハウス1
岩波書店1
日本経済新聞出版社1
PHP研究所1

2006年下半期と2002年下半期は該当作品なし。


芥川賞・直木賞も文藝春秋が最多となりました。
とくに直木賞の24作品は飛び抜けているように感じますが、年2回開催のことを考えると講談社、新潮社主催の文学賞と大きな差はありません。

参考
その他文学賞の主催者受賞数(すべて年1回開催)
柴田錬三郎賞:8作品(集英社主催)
吉川英治文学賞:11作品(講談社主催)
野間文芸賞:11作品(講談社主催)
山本周五郎賞:11作品(新潮社主催)
三島由紀夫賞:10作品(新潮社主催)
山田風太郎賞(全11回):3(KADOKAWA主催)

なお、「邂逅の森」熊谷達也(著)は直木三十五賞と山本周五郎賞の2つを受賞しています。

いかがでしたでしょうか。文学賞の特色、選考委員の好みなどによって違いはあるとは思いますが、ほとんどの文学賞で主催者が一番多く受賞している結果となりました。

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