渦 妹背山婦女庭訓 魂結び
大島真寿美(著)
文藝春秋
第161回 直木三十五賞受賞作品
あらすじ
虚実の渦を作り出した、もう一人の近松がいた──
「妹背山婦女庭訓」や「本朝廿四孝」などを生んだ
人形浄瑠璃作者、近松半二の生涯を描いた比類なき名作!
江戸時代、芝居小屋が立ち並ぶ大坂・道頓堀。
大阪の儒学者・穂積以貫の次男として生まれた成章(のちの半二)。
末楽しみな賢い子供だったが、浄瑠璃好きの父に手をひかれて、竹本座に通い出してから、浄瑠璃の魅力に取り付かれる。
父からもらった近松門左衛門の硯に導かれるように物書きの世界に入ったが、
弟弟子に先を越され、人形遣いからは何度も書き直しをさせられ、それでも書かずにはおられなかった……。
著者の長年のテーマ「物語はどこから生まれてくるのか」が、義太夫の如き「語り」にのって、見事に結晶した奇蹟の芸術小説。
筆の先から墨がしたたる。
やがて、わしが文字になって溶けていく──
受賞詳細ページ(高校生直木賞)
特設サイト(文藝春秋ウェブサイト)
大島真寿美さん『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(小説丸)
候補作
「平場の月」 朝倉かすみ(著)
「嘘と正典」 小川哲(著)
「熱源」 川越宗一(著)
「トリニティ」 窪美澄(著)
第7回 高校生直木賞の選考が8月23日に行われ、大島真寿美さんの「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」が受賞しました。本作は直木賞も受賞しています。
第7回 高校生直木賞について
- 選考委員
- 参加校の高校生
- 掲載誌・発表
- 「オール読物」11月号、公式ウェブサイト